曠野の「ねたバレ!」映画日記
2007-07-06T12:36:53+09:00
hyperwani
コロラド・ロッキーのふもとに住む暇人 わにの映画鑑賞記。日本公開前映画でもネタバレあり!なので、ネタバレ嫌いな方は避けてくださいませm(__)m
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トランスフォーマー
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2007-07-06T12:22:00+09:00
2007-07-06T12:36:53+09:00
2007-07-06T12:22:17+09:00
hyperwani
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おもしろかった~!トランスフォームするシーンが、無茶苦茶かっこいい!でも早すぎるんで、「300」みたいに、ちょっとスローモーにしてくれません?って、思っちゃった。プリ・ティーンの息子は、ずっと身を乗り出して、観ていましたが、男の子には堪らないよね。PG-13指定で、小さな子供には向かないのが残念です。トランスフォーマー、元々は日本のアニメだそうですが、すっかりアメリカのアイコンになっちゃったと思わせる出来でした。
お話は、王道だとか、子供向けだとか書かれてるけど、変にごちゃごちゃしてたり、プロパガンダもどきにならずに、かえってよかったと思います。人間側の主人公・サムが、スーパーヒーローではなく、等身大の高校生なのも好感が持てましたし、ヒロインのミカエラもセクシー。そして、サムのお母ちゃんが、超笑わせてくれる。笑いすぎて、息子の目が冷たかった。
全体に軽いギャグが散りばめられていますが、わざとらしさが感じられず、素直に笑っちゃった。身を縮こませて、必死に家の影に隠れるサイバトロンたち、かわいいv 前半はコメディーですよ、この映画。
実は私、10年以上前に、トランスフォーマー10周年記念だったかな?の、玩具についてくるトレーディング・カードの翻訳をしたことがあるのです。だから、サイバトロンやデストロンの面々に、懐かしさを覚えました。CGとは思えないリアルな雄姿に、アンタ達、立派になったねぇ・・・なんて、呟いたりして。
私は息子連れて、平日の夕方に見たので、高校生グループがいっぱいでしたが、夜の部には、かつてファンだったおじさんたちが見に来てるのかも。ところで、デンバー唯一のIMAXシアターは、未だに「スパイダーマン・3」やってるんです。トランスフォーマー、IMAXで観たかったな。映画館にあった、コンボイ(アメリカ版ではオプティマスプライム)とデストロン(ディセプティコン)兄弟の向き合ったポスター、かなり欲しい。
ところで、エンドロールが始まっても、すぐ立ち去らないでね。「Transformers 2」への布石が映されます。もっと観たいから、いっそシリーズ化希望。]]>
300 - スリーハンドレッド @ IMAX
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2007-05-01T10:00:00+09:00
2007-05-03T10:30:59+09:00
2007-05-01T11:17:43+09:00
hyperwani
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非現実的なのに、死体に群がるハエや、死臭が漂ってきそうなペルシア兵をモルタルにした砦の描写が、不思議なリアリズムをもたらします。映画に臭いが付いていなくて良かった、と、しみじみ思う。
二度目は、既にストーリーが判っているので、台詞や画面の細部に注目して見ました。「指輪物語」のファラミアの中の人(←役者さんの名前調べるの面倒)演じる状況説明役のダイリオスのナレーションは、鼻にかかったような癖のある擦れ声ですが、聞き取りにくくはありません。最初のシーンと、終盤には一番おいしい役どころですが、それ以外は存在感のないところが、やっぱりファラミア(笑)
負傷したダイリオスは、レオニダス王の「我らを讃える叙情詩も像もいらない、ただ、我らを忘れるな。自由を守るために戦った我らを覚えていて欲しい」との言葉を持って、スパルタへと帰りますが、現代のテルモピュライには、レオニダス王の銅像が建ってるんですね。Leonidas, Thermopylae で、イメージ検索かけると出てきます。右の画像がそれですが、映画より史実に忠実なお姿で(?)、黒パンは履いておられません。おステキv
一方、クセルキシスI世は、史実とは程遠い姿だったようです。左が原作、真ん中が映画、そして右が本物のレリーフ。いやぁ、フィクションな姿でよかったですね。ハデ派手な輿から、こんなオサマ・ビン・ラディンみたいなおっさんが出てきたら、脱力します。しかも、洒落になりません。
3度目は、特に気になるシーンをじっくりと・・・例えば、ペルシア王クセルクセスの、グロテスクなハーレムや、メイキング・ビデオで知ってしまった、300人のマッチョマンを集めたのではなく、CGで水増しwしているという事実を確かめるため、モブで後ろの方にいる、その他大勢なスパルタン戦士の皆さんの顔をしみじみ見てみるとか・・・
で、結論は、大画面で見ても、この映画はいい、いや、むしろ超大画面だと一層いい!と、言いたいわけです。レオニダス王の容貌は、古代ギリシアの壷の絵そのままだし、レオニダスの副将・キャプテン(名前はないんか?)の息子、ステリオスとアスティノスの若い戦士二人組は萌えだなぁ、とか、煩悩全開。メイキングや、筋肉つくりのトレーニングなど、おまけの一杯付いたDVD,激しく希望。早く出ろ~!!]]>
300
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2007-04-12T06:32:00+09:00
2007-04-12T09:08:16+09:00
2007-04-12T06:32:33+09:00
hyperwani
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うほっ!いい 300!!
目の保養です!。映像美、様式美、そして肉体美! 黒パンに赤マントの、変態としか思えない格好のスパルタン軍団が格好よすぎる!スローモーションで、わしわし走って来る姿なぞ、感動の余り、膝にヨダレの池が出来そうでしたわ。絶対、IMAXで、もっかい見にいくっ!
スパルタの王演じるジェラルド・バトラー(オペラ座の怪人のファントムさんとは、ごろりと違った印象のマッチョ男です)はじめ、どこでこんなに沢山ええ身体の兄ちゃん、おっちゃんをあつめてきたんや?と、思うほどの、筋肉美の祭典。みんな、ええ男や~(うっとり)
ペルシア軍百万の大軍を、たった300人で食い止めたスパルタ人の、史実に基づいた闘いを描いた作品です。地響き起こしながら進軍してくる百万の軍を迎え撃つは、スパルタの精鋭300人。残酷シーンが次々と出てきますが、スタイリッシュで非現実的な雰囲気の映像や、スパルタンたちがあっさり淡々と敵を倒していくせいか、グロさは感じません。その代わり(?)、エロスは満載・・・とはいえ、濡れ場や、半裸の巫女のうねうねする姿、ハーレムよりも、もっと、もっと、スパルタの男達の動く姿そのものが美しくエロいんです。
サイも象も、モンスター大男も、全く恐れること無しに、あっさり倒しちゃうスパルタンには、妙な爽やかさすら覚えます。なんでペルシア人なのに黒人なのか?(←今のご時世、中東系にしたら、露骨過ぎてマズい?)とか、変な忍者軍団は一体何?とか、険しく切り立った山の上に住む神官達と巫女は、何食べて生きてるの?とか、謎は色々ありますが、一応はある(をいをい)ストーリー・ライン同様、そんなことはどうでもいい!ただ、ただ、闘いのカタルシスを楽しみました。一応、レオニダス王とゴルゴ女王の涙の別れとか、裏に潜む陰謀プロットとかもあるんだけど、私的には、そんなことどうでもいいや、筋肉!筋肉!筋肉!!
あ、でも、女王様も漢らしくて、格好よいです。さすがはスパルタの女王。さすがはゴルゴ・・・
映画館の大画面で見ても、まだ物足りない。今から、IMAX劇場探して、ぜったい!超大画面で堪能したい映画です。わに的には、文句なしの満点映画!DVDが待ち遠しいぜ!]]>
テラビシアにかける橋
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2007-03-20T00:45:00+09:00
2007-03-20T05:16:50+09:00
2007-03-20T00:45:33+09:00
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私は原作のことを知らずに、「ナルニア」みたいな、異世界での大冒険物語を期待して見に行ったので、正直なとこ、「あっちゃー!」でした。すっかり広告にだまされたって感じ(ぽかーん)でしたが、キャサリン・パターソンによる、この原作は、アメリカで最も権威ある児童文学賞であるニューベリー賞受賞作品。
お話はファンタジーというより、「スタンド・バイ・ミー」的な、少年の心の痛みを経ての成長を描いたものです。主人公のジェス・アーロン(ジョッシュ・ハッチャーソン、いかにも、その辺によくいるオール・アメリカン・ボーイ的な容貌で好感が持てます)は、二人の姉、二人の妹に囲まれた真ん中っ子。お母さんは一番下の赤ん坊の世話で疲れきっており、お父さんは、すぐ下の妹・メイ・ベルを特に可愛がって、なぜかジェスにはきつく当たります。ふつう、四人姉妹に男の一人なら、男の子を大事にしそうなもんだけどねぇ?
家は貧しくて、両親はいつもお金の心配ばかり。ジェスは新しいスニーカーも買ってもらえず、姉のお下がりのピンクのスニーカーで学校に行かねばならぬほど。で、この姉ちゃん達が、TVのチャンネル権で喧嘩ばかりし、ジェスを見下すサイテー姉。妹のメイ・ベルは、ジェスが大好きだけど、ジェスとしては、父に可愛がられている妹に対して、やや複雑な心境です。こんな状況だから、ジェスがいじけるのは、しょうがないって気もしますが、貧乏で、無口で、いじいじしてるってんで、いじめっ子達の格好の標的。よくグレないもんだ。
もう、この学校というのが、とんでもない暴力学校で、いくら田舎だからって、これはないんじゃない?って感じ。特に、いつもスクールバスの最後尾席に居座る8年生(日本だと中学二年生)の女ボス・ジャニスは、身体も大きく腕っ節も強いので恐れられる存在。勝手に女子トイレ使用料を取り立てたり、下級生を苛めたり、したい放題。学校側は何もせんのかね??
ところで、スクールバスの最後尾って、運転手さんの目も届き難く、好き勝手できるので「いじめっ子指定席」らしいです。たいてい最上級生が陣取っていて、下級生を追い出したり、座席に落書きして問題になったり・・・なんだって。
そんなジェスだけど、かけっこと絵を描くのは得意で、夏休み中毎朝練習した成果を、5年生の新学期・最初の日のレースで発揮して、一等賞になるはず!だったんだけど、なんと、転校生の女の子、レスリー・バーク(チャーリーとチョコレート工場のヴァイオレット・アナソフィア・ロブ 勝気な表情がレスリー役にぴったり)に抜かされちゃう。ファンキーな自分風のファッションのレスリーは、美人だし、かけっこは早いし、木登り得意、大工仕事もお手の物、想像力豊かで、優しくユーモアのある夢のような女の子。しかも家は、ジェスの隣ときた!こんな素敵な女の子と仲良しになったのに、ジェスはひそかに、音楽の先生に憧れているのだ(えぇ~っ!?!)
家族の中でも学校でも、自分の居場所がないと感じているジェス、テレビもなければ教会にも行かない異端家族の一人娘レスリーは、古いロープを伝ってしかいけない深い森の奥に自分達の想像の王国・テラビシアを創って、空想世界で冒険を繰り返しますが、ジェスが憧れの音楽の先生に誘われて、都会の美術館にいったその日、取り返しのつかない悲劇が… 以下、盛大にネタばれいきます。
ジェスがいない間に、一人でテラビシアに行こうとしたレスリーは、ロープが切れて川に落ちたときに、頭を打って意識を失い、そのまま溺れ死んでしまうのです。この悲劇を通じて、ジェスは父との絆を深め、冷たいだけだと思っていた先生の辛い過去(夫が死んだとき、皆は忘れろといったわ。でも忘れたくないの)を知り、いじめっ子を見返し、かつてレスリーに助けられた女ボス・ジャニスと友達になり、そして、妹メイ・ベルを、ジェスとレスリーの二人だけの王国・テラビシアに迎え入れます。タイトルである「橋」は、レスリーの死後、ジェスが一人で架けた手作りの橋のことでしょう。ジェスは王様、メイ・ベルは「Princess」です。「Queen」は、レスリーのままなのね。
新聞広告や、プレビューで全面的に押し出される、幻想的なテラビシアが姿を現すのは、このラストシーン数秒間だけ(をい!)、CG制作費が足りなかったのか?四人姉妹に囲まれているだけでも、女性不信に陥りそうなのに、こんな夢のような女の子の思い出を胸に、これからのジェス君の人生、苦難が多いんではないかと、ちと心配かも。
私が面白いと思ったのは、聖書に対する扱いです。「聖書なんて信じない」と公言するレスリー。ジェスと一緒に日曜のミサに行って
「私は聖書なんか信じてないのに、イエスのお話を面白いと思って、聖書を信じるあなたは退屈だなんておかしいわね」
そんなことをいうと罰が当たって、地獄に落ちると心配するジェスに
「神様がいちいち人間に罰を下すなんてことないわよ。だって、この世界をまわすのに、とっても忙しいはずだもの!」
現在のアメリカでさえ、これは、なかなかに大胆な発言。アメリカの象徴の一つであるディズニーが、こんな台詞を言わせるなんて、ちょっと吃驚です。アメリカ人は今もなお、ブッシュ大統領始め、聖書の内容を真実と信じてやまず、キリスト教を信じないやつは地獄に落ちると思ってるんですよ。
このお話の舞台になったのは、原作ではワシントンD.C.郊外のメリーランド州タコマ。ジェスが先生と訪れたのは、国立美術館ということになっています(映画に出てくるのは、国立美術館じゃありません)。今では、すっかり高級住宅地になっているタコマですが、原作の書かれた30年前には、こんな深い森や農地の広がる、貧しい農村地帯でした。そこには、神の存在を心から信じる人々が住み、排他的な雰囲気だったでしょう。こんな土地柄で、ジェスの級友に様々な人種がいるってのは、苦しい設定だと思うけど。
この物語がファンタジーだとしたら、レスリーの存在そのものが、ジェスの想像(創造)だったのかもしれない、というところです。彼女は、あまりに理想的な女の子で、まるで、ジェスの人生にひと時の輝きと永遠の財産を残す、フェアリー・ゴッド・マザーのよう。でも、これはきっと考えすぎでしょう。期待していたものとは大きく外れたけど、主役二人の好演もあって、心に残る一作になりそうです。
監督は、「ラグラッツ」の監督経験者。日本の「クレヨンしんちゃん」のような、子供向けだけど、映画では大人を感動させるアニメです。やっぱりツボを心得てます。]]>
ハッピー・フィート
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2006-12-18T10:41:19+09:00
2006-12-18T10:41:19+09:00
2006-12-18T10:41:19+09:00
hyperwani
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回る、廻る、画面が周る。私の目も回る~♪ で、クラクラでしたわ。リアルな赤ちゃんペンギンが可愛くて、変な擬人化しなくて良かったと思うと同時に、仔ペンギンの姿のままで縦に伸びたヒーロー、踊るペンギン、マンブル(もごもご、口篭るって意味)・ハッピーフィートの姿がかなり微妙。マンブルが、メンフィス(ヒュー・ジャクソン)とノーマ・ジーン(ぶりっこっぷりが笑えるニコール・キッドマン)という歌の名手の子供でありながら、歌えないのも同様、多分、卵時代に父ペンギンのメンフィスが、卵を落としたから、で説明されるのだろうけど、マンブル自身が父親になっても、姿変わらずなのは違和感が…
マンブルだけは、他のペンギンと目の色も違って、ブルーの瞳。童顔に大きな青い瞳が印象的なマンブルの中の人、イライジャ・ウッドを確かに髣髴させます。マンブルが、幼ペンギンの姿のまま成鳥になるのは、マンブルの純粋さとか、ピーター・パン的な要素なのかなぁ?
「マダガスカル」では、ペンギン四人組がすっかり'場面を魅了してたけど、ペンギンばかりのこの映画で、光っているのはアデレードペンギンのアミーゴ達。ちょっとステレオタイプが目立つけど、歌って踊れて、いい友達で… 大団円でいい目を見たのはマンブルだけど、アミーゴ達にもパートナーを作ってあげて欲しかったな。
楽しく可愛いだけの映画かと思いきや、最後にメッセージらしきものを入れたのは、蛇足な気も。魚が減ったのは、人間が漁をするからだ。で、漁をやめようって、短絡的過ぎるし、誤解を招くと思う。いっそだったら、環境保護のメッセージにしたほうが良かったし、深みも出たと思うな。
この映画でも、「南極物語」で全米を飛び上がらせた豹アザラシは悪者です。今の子供達が大人になったら、赤ちゃんアザラシなんて可愛くないね、ペンギンらぶ~vな世代が出来上がるのかなw
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The Departed
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2006-11-04T12:02:00+09:00
2006-11-06T05:46:08+09:00
2006-11-04T12:02:59+09:00
hyperwani
ぽかーん
やっと観てきました。オリジナルの香港版「インファナル・アフェア-無間道」観てたから、公開前から注目してたんです。で、端的に言うと、香港版とこれとは別物で、比べられないと思いましたが。良くも悪くも「マーティン・スコセッシ節」全開。設定やイベント、屋上でのドラマからエレベーターのどんでん返し、細かい所では、組織壊滅後に警察のオフィスでラウに当たる役のマット・デイモンが祝辞と共にマグカップを渡されるシーンにいたるまで、みな、香港版と同じなんだけど、それでも、これは「インファナル・アフェア」とは別の映画だなぁ、と、思い続けながら観ていました。
ハリウッド版リメイクの話が出始めたときに、お友達と、オリジナル版の二人の年齢を考慮して、トニー・レオンの役(ヤン)はケビン・ベーコン、アンディ・ラウ(ラウ)はショーン・ペンとかいいんじゃないか、ってお話したことがあります。で、ついでに、監督はクリント・イーストウッドで、最後に一瞬目立つラウ(ハリウッド版のサリバン)の部下にティム・ロス・・・って、それは「ミスティック・リバー」だ。で、いっそウォン警部はモーガン・フリーマンで決まりだ!おーし、オスカー間違いなしだぞ!(をいをい)
見に行く前に、関連記事を読み漁りましたから、3部作をまとめたようなストーリーだとか、主役はニコルソンとか、ボストンが舞台なのに、ニコルソンがボストン・レッドソックスの野球帽を拒否して、Yankeesのを被ってるとか、ヒロインはカウンセラーとサリバン(ラウ)の恋人が同一人物になってるとか…前知識十分で挑みました。だから、失望は少ないはずだ・・・ったんだけどね。
大筋は、ボストンを仕切るアイルランド系マフィアのボス、コステロ(ニコルソン)が、国家の軍事機密につながるチップを中国に売払おうとしていた。それを阻止すべく、スカウトされたのは、マフィアの息子という背景を持つコスティガン(ディカプリオ)。一方、子供の頃からコステロに目をかけられ、警察学校卒業後は着々とエリートへの道を歩みながら、実はコステロに通じているサリバン(デイモン)。共に正体を隠して潜入した二人が、互いの正体を暴くため、死闘を尽くすというもの。
香港版では三部作だったのを、二時間半に凝縮しちゃったんだから、人間関係が単純化されて、警部(アメリカのお茶の間では、すっかり大統領として定着のマーティン・シーン)と、コスティガンの絆とか、コステロの愛人グエンとサリバンには接点無くて、グエンはひたすら脇役とか、ラスト10分は話を畳み込みすぎとか、なにか物足りない気がします。香港版では、拷問に耐えた後殺される警部だけど、ハリウッド版じゃ、いきなり降ってきたぜ、ベイビー、って、感じだ。「無間道」だけでも、よく出来てるんだから、ここだけのリメイクにしても良かったんじゃないかな?
でも、なにより香港版に比べて、底が薄いと感じたのは、ヤンとラウの背負うものの重さの違いだと思う。10年もの、おとり捜査に疲れたトニー・レオンのくたびれたやさぐれっぷりに漂う色気や、虚偽の上にキャリアを重ねたエリートのふてぶてしさを持つアンディ・ラウの貫禄は、ディカプリオとデイモンには望めないし、デイモンのサリバン出世早すぎだとか、ディカプリオのコスティガン普通に疑わしいだろ、とか、ストーリー的にも苦しい。ニコルソンのコステロも、香港版のサムに比べると、狡猾さより狂気ばかりが目に付いて、チンピラっぽい。
楽しく演じてるのね~vという感じが、観客に伝わってくるニコルソン御大のノリノリ演技は別格としても、対するレオナルド・ディカプリオも、いい演技をしていたと思います。また毎度の、ずっと眉間に皺寄せて悩んでるだけかと思いきや、焦燥感、死への恐れ、弱さ、怒り等、うまく表現していたと思います。でも、かつてのチャーミングさは、どこへ行ったの?って気も。演技の上手さは、「ギルバート・グレイプ」でも光っていましたが、「タイタニック」や「ロミオ+ジュリエット」で見せた魅力は、トシと共に消えうせ、サリバンの恋人でもあるカウンセラーをよろめかせる説得力に欠ける。ところで、このカウンセラーさん、せっかく豪華俳優陣を揃えたんだから、もうちょっと華のある女優さんを雇ってほしかった。
マット・デイモンは、毎度おなじみマット・デイモン的役柄。この人の演じる役は、ワンパターンだね。サリバン(ラウ)じゃなくて、コスティガン(ヤン)役だったら、新境地が開けたかもしれない。サリバン州議事堂の黄金のドームが窓から見える、ビーコンヒル(ボストンの高級住宅地)にあるサリバンのアパート、警部のタウンハウスより高そう。新米刑事がこんな立派な部屋を変えるはずなさそうだし、これが、サリバンがコステロに報酬もらってるって事の説明になるのかな?
一方、ディカプリオのサリバン(ラウ)は、底の知れない掴み所の無さや、さりげない切れ者ぶりを垣間見せたら、これまた面白かったかも。
ともあれ、「無限道」のヤンとラウが、電気屋さんで会うシーン、あそこだけは、デイモンとディカプリオでも観たかったな、と、思う私でありました。この分だと、スコセッシ、またクリント爺さんに、オスカーもっていかれるんじゃないかなぁ・・・?!]]>
ダ・ヴィンチ・コード
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2006-05-20T13:50:00+09:00
2006-05-21T09:01:50+09:00
2006-05-20T13:50:40+09:00
hyperwani
未分類
世界同時公開ならぬ同時後悔、なんて散々な前評判のこの作品、ワタクシも観て参りました。公開初日金曜日の、朝11時という、暇人にしか赦されぬ時間帯でしたが、40人くらい入ってました。流石は話題作。観客層は、定年後のお年寄りカップル、大学生っぽい若者、それに私のような子供が学校に行ってる間に、って感じの奥さんがた。
主役のラングドン教授は、私が本で描いたイメージでは、20歳若いハリソン・フォードか、10歳年取ったマット・デイモンだったので、トム・ハンクスってとこで、既にずっこけです。監督がロン・ハワードというのも、何かが違う、とっても違う!という気が・・・ それでもお金払って見に行ったのは、やっぱ原作が面白かったし、舞台となったルーブルや、古い教会を見てみたいという、挿絵的な興味かしら?
ヒロインのソフィーは、原作イメージでは「Xファイル」のジリアン・アンダーソンでしたが、「アメリ」とは、ガラッと印象の違うオウドリィ・トトゥ、とても良かったと思いました。英語話すときのフランス語訛りがチャーミング。しかし、一昼夜、公園だの街中などを走り回った後に、磨きたてのような黒いハイヒールは非現実過ぎ。
刺客サイラスのポール・ベタニーも、信念に獲り付かれた殺人鬼だけではなく、深い哀しみを背負った悲劇的な人間としてのサイラスを演じきっていたとは思いますが、僧衣を脱いだトコで「また、お尻出してるし~」と、笑っちゃった。ベタニーさん、ごめんね。
リー役のサー・マッケランの演技は良かったけど、この人、最近出過ぎで、つい「お!ガンドルフだ、マグネトーだ!」と茶々入れしたくなっちゃう。他の役の印象が強すぎという点で、トム・ハンクスも同様なのですが。どうも、この役でのハンクスには、ソフィーが魅かれるほどの、魅力が感じられませんでした。まず、象徴学の教授として講演をしているときの声・・・私は、先生は声が大事だと思うのです。この点で、考古学の講義を、インディアナ・ジョーンズ教授の声で語られると、うっとりし過去の世界に引き込まれそうですが、ハンクスの声は、そんな深みと豊かさに欠けてるんだな。「トイ・ストーリー」のウディーには、ぴったりなんだけど!
変な髪形と、ややタプリ気味の顎のせいか、イマイチ風貌も冴えない。ラングドン教授には、もっと精悍な雰囲気の人が良かったと思うの。演技も、トム・ハンクスとしては、一流(トム・ハンクス自身のレベルで)とは言いがたかったと思います。私、ハンクスは魅力的で、演技も上手な、良い役者さんだと思うけど、この作品に関しては外れだったな、と。ジャン・レノに至っては、深みを出す機会も無し、って感じで、いきなり掌返すおっさん。ああ無駄だ。
しかし、悪評判の一番の元凶は、撮影だと思うな。カンヌでは始まって直ぐに失笑が漏れてたと読んだけど、発端となったルーブルの死体…死体の形状が大切なので、観客に見せないわけにはいかないけれど、大事なトコは画面に出せないので仕方ないのだろうけど、ありゃ笑うしかないでしょう。画面がどうも単調だし、おどろおどろしいテンプル教会の雰囲気なんて、まるで出てなくて、あっけらかーん!各教会の違いや、時間の流れを出すべく、せめてライティングにでも工夫してくれりゃ、観客としても判り易いんだけどなぁ。どの教会も同じに見えちゃうのは、単に私がアホなだけ?
脚本は、原作読んでないと「はぁ?」な部分が多いと思います。謎解きの経過も、ぐいぐい引っ張られるほどじゃなかったし、一応悪役であるはずの、キリストの子孫である「聖杯」の存在を抹殺しようとする、司教を始めとする聖職者の描き方が、中途半端。黒幕の「先生」こと、リーの動機も、うやむやのまま・・・ バティカンやキリスト教徒を、なるべく刺激しないようにかなぁ。やっぱ、バチカンなんぼのもんじゃい!と開き直れる監督選んだ方が良かったんじゃないかな、と、エラソーに書く私。
と、まぁ、酷評は仕方ないかもね、とも思うけど、原作を楽しんだ一読者としては、舞台となった場所が見れて良かったな、とv って、結局それだけかいっ!?!]]>
Brokeback Mountain
http://hyperwani.exblog.jp/3909089/
2006-05-15T03:10:00+09:00
2006-05-15T05:59:25+09:00
2006-05-15T03:10:43+09:00
hyperwani
ほろほろ(TT)
正直、初見では、のめり込め無かったのですが、原因は台詞が聞き取りにくくて、内容が十分掴めなかったから(とほほ…) なので、字幕付DVDでリベンジしました。それに前回は、ストーリーを追うのに一所懸命だったのと、ジャック役のジェイク・ジレンハールは、目元はトビー・マクガイアそっくりで、全体はニコラス・ケイジ似なのに、でもトビー・マクガイアとニコラス・ケイジが似ていないのはなぜだろう、とか、エニスって角度によってハンサムに見えたり、普通に見えたりするんで「男前角度」探しをしてしまったり、息子なら兎も角、普通、娘にジュニアなんて名前付けるかな?とか、下らない事ばかり、みょーに気になっちゃって。
台詞が判って、お話はずっとよく理解できましたが、やっぱり見る前に期待していた程は、のめりこめなかった。思うに原因は、見ている最中に、深読みしきれなかったからではないかと思います。後から映画のことを思い返せば、色々な考えが出てくるのですが、台詞を追うのに必死で、見ながら考えることをしていなかったのかも。
例えば、「受取人死亡」の判子を押されて返ってきた葉書を手に、エニスが公衆電話からかけた電話は、ラリーンによって返答されます。「裏道でタイヤ交換中に、タイヤが爆発して顔を直撃して気を失い、自分の血で窒息死した」というラリーンの言葉の途中で、3人の男に打ちのめされるジャックの姿が映りますが、それは単にエニスの想像なのか、事故死と偽っているが、実はそれが真実なのか…私にはわかりません。そういえば、エニスの心に深いトラウマを埋めつけることになった、老カウボーイ・アールもタイア交換具で殺されたんですよね。実際にワイオミングでは、ほんの数年前に、同性愛者を自称する大学生(大学でも、ゲイ・ライト運動の中心的存在だったらしい)が、バーで会った地元の若者達に惨たらしくリンチ死される事件がありました。同性愛を嫌悪する傾向は、未だ根強いのです。
ところで、ラリーンがエニスを「ジャックがあなたのことをよく話してたわ。釣り仲間だとか、猟仲間(hunting buddies)だとか」って台詞を、初見では「humping buddies」と聞き違えて、ひえーっ、バレてたのねぇ、と思ったのは、我ながら恥ずいっす。
同性愛と目されて、リンチ死にあったアールの死体を、エニスの父は、子供のエニスと兄を連れ、同性愛者がどんな目に遭うかを解らせる為に見に行きましたが、これは怖いと思う。かつてのカウボーイや鉱夫といった、西部の世界は、男ばかりで、男だけで住んでいるのが普通だったはず。当時の写真や、当時の暮らしを描いた絵は、男所帯のむさい生活ぶりが伝わってきます。それでも、エニスが9歳の頃・・・といえば、1950年代には、すっかりそんな風潮は、汚らわしきものと目されていたのでしょうか?これも、マッカーシズムのせいなのかなぁ?
私は、かつてテキサス、今はコロラドに住んでいますが、ここは、以前住んでいた東部に比べると、男同士の「仲良し」っぷりは、実に濃い。テキサスでは、アニメの「キング・オブ・ザ・ヒル」でお馴染の様に、オヤジ達は毎日、仕事から帰ってきては、家の前でビールを飲みながら何時間もお喋り。週末は妻子ほったらかしで釣りや猟は当然(妻は妻で、女同士楽しくやってるのですが)、隣のジェフおじさんは弟と超仲良しで、週末毎にツーリング、ってな具合。ボーイスカウトの類も活発で、カウボーイ精神、未だ健在という感じです。
他にも、後になってから、あのシーンは・・・と、考え込んでしまったことは多いのですが、特に エニスの最後の言葉、「Jack, I swear...」 彼は一体何を「swear」したのでしょうか?深い余韻を残す言葉です。
ワイオミング(ほんとはカナディアン・ロッキーだけど)の雄大な自然が、とても美しい映画でした。暫く時を置いてから、また見たい作品です。しかしね、わたし、ロッキーの麓に住んでるんですよ。ああいう風景って、本当に近くに存在するんですよ。なんかね、見るたびにこの映画を思い出してしまいそうな気がね…いやね、いいんですけどね、別に・・・ あの釣りしてるおじさん達なんか楽しそうだなぁ…]]>
40歳の童貞 The 40-Year-Old Virgin
http://hyperwani.exblog.jp/3613027/
2006-03-05T12:18:24+09:00
2006-03-26T14:05:24+09:00
2006-03-05T12:18:23+09:00
hyperwani
げらげら
Unrated版を観ました。悪名高き「なんでお前がゲイか教えてやる」の部分が増殖しているのと、主人公の40歳の童貞男アンディーの妄想場面が付加され、一層笑えるはず…だそうで。この部分も含めて、私的には、オマケのカットされたシーンが皆かなり可笑しかった。
きちんと掃除されたアパートに住み、朝ごはんはちゃんと自分で料理し、出勤前には身体も鍛える。ルックスだって悪くないし、仕事も出来るアンディーは誰もが認める「いいヤツ」なのに、過去の失敗がたたって40歳にして、未だ童貞。ついでに酔っ払ったことも無ければ、運転免許も無い。それでも本人は別に苦にするでもなく、お気に入りのフィギュアやゲームに囲まれ、ご近所との関係も良好でそれなりに幸せで平穏な暮らし。
しっかし!それではいかんと、同僚のジェイ、デイブ、カルは次々と役に立たないアドバイスを授けます。でも、クラブでナンパ、胸毛脱毛、5分間お見合いミーティング、金髪美人の本屋の店員…全部撃沈。とうとう3人は、お金を出し合って娼婦を雇いますが、なんとこれがニューハーフさんだったりと、連戦連敗。だけど、アンディー本人としては、彼の勤め先の家電店スマート・テックの向かいに店を構えるトリッシュが気になるのです…
トリッシュは3人の子持ちで孫もいるホットなグランマ。トリッシュもアンディーを愛しているのですが、いまさら童貞だなんて言えないよ・・・と、怖気づくアンディーは腰砕けで、折角上手くいっていた関係にもひびが入り始めました。さぁて、アンディーは、勇気を出して無事童貞脱出できるのかなぁ~♪水瓶座の時代~♪ エンディングの妙な爽やかさが笑えます。ジェイ、すっげえエエ身体してはります。
スティーブ・カレルがコーナーを持っていたコメディー・ニュース・ショー(ジョン・スチュワートのDaily Show)では、いつもしかめっ面で逃げられた嫁のことで切れる男のイメージしかなかったので、この映画で全く違う顔で驚きました。でも実際には、こんなにキュートで魅力的な40歳、回りがほっておくとは思えないな。私もお付き合いした~い!(こら、待て)]]>
シリアナ Syriana
http://hyperwani.exblog.jp/3617130/
2006-03-01T08:05:00+09:00
2006-03-26T14:02:51+09:00
2006-03-06T08:05:17+09:00
hyperwani
どきどき
タイトル通り、assholeが沢山出てくる映画。4つのエピソードが淡々と同時進行し、最後に一つになるのですが、カタルシスは無く、空虚な気持ちが残ります。だから駄作だという訳ではなく、この空虚さと、ひしひしと襲ってくる戦慄…が狙いなのかな?
軸が4つあって、それぞれに中心人物が設定されており、各々に個人や家庭の事情があるのですが、同情はしても感情移入する登場人物が選べず、その分のめり込みにくい感もあります。そんな意味で、脚本の出来はイマイチだと言わざるをえないけど、深い印象を残す映画です。原作がいいのかも(でも読みきる自信ないわ)
「シリアナ」とは、シリア、イラン、イラクが統一した単一民族国家のコードネームで、実在の中東再建コンセプト。アメリカにとっては物凄い脅威になりかねないけど、これを傀儡政権にアメリカが牛耳ることが出来れば・・・石油利権を一掌に握ることも出来そうです。現実世界では、9/11での失態を含め、かつてのスーパースパイ機関のイメージを失ったCIAですが、映画の中では相変わらず勇ましい存在。そんなCIAも、この映画では単なる政治的機関の一つであり、司法省の道具に過ぎません。
かつてワシントンD.C.に住んでいた私としては、DC周辺を舞台にした場面は本当に、DCで撮ったのかなと思えました。実は、「とんでもDC」とか「なんちゃってDC」の映画って多いんですよね。例えば、黒人弁護士ベネットの家、議事堂の裏キャピタルヒル地区は、本当にあんな家ばかりで、実際に弁護士が一杯住んでます。私が住んでた時、同じブロックで弁護士のいない家はウチだけだったほど(笑)
舞台となっている中東の国は、特定されてはいなくとも、男性の真っ白な普段着カフタンや、族長の黒と金の正装、白いスカーフに金の輪っか、王政、海がある、マラガに別荘、等々からサウジアラビアであることは明白。ただし、サウジに住んだことのある、わに夫に言わせると、あれはサウジで撮影したのではないそうで。そこまで露骨にはできないか(^^;
自国の未来を憂うナシール王子、どっかで見た顔だとずーっと気になっていたんだけど、ほらほら、スタートレックDS9のドクターなのねん。マット・デイモン扮するアドバイザーを別室に呼んだ際の「私はジョージタウン大学で博士号を取り、アメリカを、民主主義を、自由世界を見た。私は我が国を変えたい」という言葉に、なんともいえない皮肉が混じります。
クリントン元大統領の母校でもあるジョージタウン大学(GU)は、ワシントン市内にあり、ここの国際関係学部大学院出身者の主な就職先は米国外務省(State Department)やシークレットサービス、FBI,CIAといった政府機関。多くの教授が、定年退職後の政府高官で、大変に司法省に密着した学校なのです。80年代の青春映画「セント・エルモス・ファイヤ」の主人公7人が、GUを卒業したばかりという設定でしたが、うち一人は政治家を目指して着々とキャリア建設中でした。GUは、そんな政治的野心を持った若者の登竜門でもあり、そのGUで教育を受け、感化された王子の考えが、アメリカの利益に反すると叩き潰される…なんたる皮肉!
冒頭、ベネットが訪れる上司の家も、ジョージタウンにあるとキャプションが出ますが、GUのあるジョージタウンはまた、ワシントン内でも屈指の高級住宅地。かのケネディー元大統領夫妻も上議員時代に居を構えていました。メインストリートであるウィスコンシン・アベニューを横に入ると、石畳の両側に小さな古い家が並びますが、この小さな家々は軽~く1億を超えています。この静かな地域は、選ばれた者の住む地域であり、ひっそりとした佇まいのレストランは、実は密やかに国を動かす会話が行われるパワーハウスだったりします。
現政権が石油利権にべったり密着しているのは、アメリカ人の多くが容認している事実。原理主義者に洗脳され、テロリストにされるパキスタン人青年達の純粋さの哀しさ、理想を追って暗殺されるナシール王子一家の悲劇、中東への思い入れゆえに(?)、かつて自分が暗殺に失敗したナシール王子を助けようとして、一緒に吹き飛ばされるボブ・・・
息子の事故死以来、離婚の危機にあったブライアン(マット・デイモン)は妻と和解し、ベネットはアル中の父を受け入れ家に迎え入れ、ささやかな庶民的幸せは保たれて、少し暖かな余韻は残りますが、一方で今日もイラクで、アフガニスタンで、多くの兵士達が、一般イラク市民が命を奪われています。何の為に・・・?
本当に哀しく、恐ろしい映画だったと思いました。]]>
南極物語 (Eight Below)
http://hyperwani.exblog.jp/3581594/
2006-02-26T13:02:40+09:00
2006-03-04T04:02:23+09:00
2006-02-26T13:00:33+09:00
hyperwani
ほろほろ(TT)
英題は『Eight Below』 一応は『南極物語』のリメイクらしい。でも、南極に残した犬が冬を越して、春に再会したって事以外は、オリジナルとは似ても似つかん話って気がする。最初に「実話に案を得た」と出るし、エンド・クレジットにも原案:南極物語と出ますし、犬達のハンドラーである主人公ジェリーが、犬を育てた老人に謝りに行って諭される場面や、犬達がオーロラに興奮する場面など、オリジナルを髣髴させる部分もあるのですが、オリジナルの重みや深みは何処にも感じられませんでした。
今作では、残されるのは8匹。ディズニーだから、8匹全員生き残って、感動の対面…かと思いきや、そうはいきません。息子に、死んで雪に埋もれた犬が可愛そうだ、と、泣かれて困った。老犬は始めから「死亡要員」と判っていたけど、もう一匹の死は必要だったのかなぁ?単に犬の中での主人公的存在マックスをグループと引き離すための、ご都合主義って感じだけど、なんで双子の片割れじゃなくてマックスが残るの?って気がして不自然。
でも、ディズニーなので、可愛いペンギンを食べちゃうシーンは無し。「皇帝ペンギン」を観た後に、この犬達がペンギンとってたら、悪者にされるっしょ。ちなみに、アザラシは、この映画でも悪役です。アザラシってば凶暴なのね。しかし、このいかにもCGアザラシ、まるでエイリアンだ。無茶苦茶こわい…
ペンギンもアザラシも食べないなら、犬達は何を食べるかというと、鳥なんですね。実際にうちの犬達が鳥を取って食べようとしているのを経験した私には「ぐえー!」なシーンでした。食べ残しの鳥の残骸ってエグいんですよ~。あうあう…犬達が鳥をバリバリのシーンは、あれを思い出して、思わず目をそむけたわ。他には、死んだオルカや、倉庫を破壊して、人間の残していった食料やらを食べてるシーンがあります。
それにしても、直ぐに犬を回収しに引き返す予定だったのなら、なんで外に繋いでおいたのかなぁ?屋内に入れてやればよかったのに、と、思うのは、私だけ?そしたら、食べ物に苦労したり寒さに凍えずに済んだじゃん…もっとも、屋内にいたら、お話にならないんだけど。
主人公と仲間達が南極に引き返す為に、そもそも犬達を残して嵐のなか基地を去らねばならなくなった原因である、博士が国立科学協会からの資金を調達するのですが、後でどう言い訳するんだろ?犬のために南極行きました、とは言えんでしょ、とは野暮ながらも素朴な疑問。
ストーリーは、色々無理があって、苦しいんだけど、犬好きには、たまらない映画です。芸達者な犬達が、言葉に出来ないほど可愛いのです。どの犬も実に表情豊か。なぁんか、キューバ・グッテン・ジュニアの出てた「Snow Dogs」に出てたのと同じ犬達のような気もするんだけど、スター・ハスキーさん、スター・マラミュートさん達なのか!?
先の、「いきなりアザラシ」や、冒頭の博士がクレパスに落ちるシーンは、かなり緊張します。他にも、犬が死ぬシーンもあるので、小さい子供向けではないかもしれません。犬の死のシーンで大泣きした息子には、オリジナル「南極物語」なんて、見せられないわ(T▽T)]]>
マシュー・ボーンの「白鳥の湖」
http://hyperwani.exblog.jp/3545243/
2006-02-18T14:43:37+09:00
2006-02-18T14:42:48+09:00
2006-02-18T14:41:40+09:00
hyperwani
ほろり
10年前にロンドンで初演されて以来、大きな論争を引き起こした問題作、新キャストでの北米ツアーです。ハマるか、後悔するか、それは観てから決めること(Love It or Regret It…)なんて、新聞広告のあおり文句も扇動的。
映画じゃないから、今回は番外編ですが、映画化されても面白いかもしれないと思いました。「オペラ座の怪人」「シカゴ」と、ブロードウェイ・ショーの映画化が続いて成功していることだし。
この作品は、日本で見たお友達が絶賛してたので、観てみたいと思ってたのだな。朝から悪天候で少し心配してたんだけど、昼前には晴れたので、家の前を雪かきして出動。どうでもいいけど、観劇の前にする事が、お洒落とかでなく雪かきって、ちと哀しい。なにしろ外気は氷点下十数度なので、アスファルトから上がる湯気は濃霧のよう、雪解剤がはね返って数分毎に窓を洗わねばならない状況。前の車のテールランプを頼りに、傾斜6度のうねうね山道を下っている途中で何度か引返したくなりましたが、頑張ってお山を降りた甲斐ありました!
平日のマチネだけあって空いており、私のチケットは最安の三階バルコニー席の端っこ(T▽T)でしたが、1階後方席の真ん中に座らせてもらいました。迫力のある踊り、少しでも近くで観れて良かった!新聞等での評論でも「誰にでもお勧めできる作品ではない」とあったので、こんな作品を、平日の昼間っから観に来る人って??と、思ってたんだけど、やっぱり芸術家っぽいタイプが目立ったような気が。でも、私みたいな普通のおじさん、おばさんも多かったですよ。なぜか中学生くらいの女の子の一団もいました。多分、ダンスの生徒かな?
今では「Matthew Bourne's Swan Lake」と冠付で、世界的に有名なこの作品、有名なチャイコフスキーのバレエ曲「白鳥の湖」の旋律に乗せてお話は進みますが、白鳥が皆男性というのが大きな違い。彼らは、優雅で女性的な本家白鳥とは対象的に、凶暴で力強い白鳥達です。オデット/オディールに対応する白鳥/ストレンジャーは、中でも一番堂々として男性的。お話は、むしろ「ハムレット」に似ているような気がします。母と息子の葛藤、息子の苦悩、恋人の死…
主人公の王子は、最初と最後に子供として登場しますが、そこに私は気付かず、帰ってから、ネットでストーリーや解説を読んで初めて解ったの(^^;) 私には、この白鳥(The Swan)と白鳥達が現すものがイマイチよく解りませんでしたが、勝手な解釈では、白鳥は王子の憧憬と自分自身の理想像、白鳥達は王子の心の中の不安や暗い部分なのかな?と。そう考えちゃうと、作品の「homoerotic(同性愛的エロティシズム)」部分が霞んじゃいますが。ボーン氏自身も、白鳥の象徴するものについて明言はしていないそうなので、観客各自、自分で好きに考えてもいいんじゃないかと。
笑える場面あり、華麗な踊りあり、もちろん音楽は一流品。楽しかったです。同じくマシュー・ボーンによる「くるみ割り人形」も観たいなぁv]]>
攻殻機動隊 「イノセンス」
http://hyperwani.exblog.jp/3423158/
2006-01-24T06:06:22+09:00
2006-01-24T06:14:09+09:00
2006-01-24T06:06:22+09:00
hyperwani
ぽかーん
ちょっと待てぇ!と言いたくなる「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」より9年ぶりの続編。押井さんだけに惜しい出来、などと親父ギャグの一つも言いたくなります。ビジュアルにかまけすぎて、ストーリーどうしたぁ!?ってとこは、かのゲームソフト会社、某□社の「ファ○ナル・ファン○ジー」(←余りにあからさまな伏字)を思い出させます。
一作目は草薙少佐のかっこよさに惚れ、彼女を見ているだけでも楽しかった。アクションもあったし、押し付けがましくなく込められた哲学的メッセージも、すんなり受け入れられた。でも、「イノセンス」じゃ、おっさん二人が走り回ってるだけ。バドゥもかっこいいんだけど、画面を引っ張っていくカリスマは無い。少佐出せ、少佐!ゴルァ!!
わんこは超可愛い。人物はセル画で背景はCGという画面も美しい。でも、ひたすらかったるい。誇示・格言の引用も頻繁すぎて鬱陶しいし、とにかく展開が遅い。人形と人間に関する哲学的なテーマは興味深いかったけど、このテーマは単なる説明くさい台詞で説明されるだけで、ストーリー上の必然性が感じられない。
で、やっと少佐が出たと思ったら、その他大勢人形の姿ですよ。そのうち彼女本来のセクシーな御姿に…と、我慢強く待ってたら、そのまま終わっちまった。をい、待て!少佐はどうした、少佐は!?!?!?!]]>
LOVERS (十面伏理)
http://hyperwani.exblog.jp/3335332/
2006-01-06T06:04:51+09:00
2006-01-06T06:04:51+09:00
2006-01-06T06:04:51+09:00
hyperwani
ぽかーん
アメリカでのタイトルは「House of Flying Daggers(飛刀門)」。ビジュアルがとても美しい!特に風景!(ヲイ) お話は、チ○ビが出てれば新條まゆ、ってくらい少女漫画。でも残念ながら、チク○は出ません。ところで私は、「恋するシェークスピア」のグウェニス・パルトロウが、「エリザベス」のケイト・ブランシェットを抑えてアカデミー賞を取ったのは、パルトロウオがおっぱい丸出ししたから、だと、思ってるんですけどね。
チャン・ツイイー嬢の見せ場、最初の踊りのシーンや、クライマックスの紅葉の秋が過ぎ、雪が積もってもまだ戦ってる、何ヶ月やってるんだよ!?な、金城武とアンディ・ラウの決闘シーンなど、流石は白髪三千条の国、と、思わせてくれます(これは後からしったとこによると、ホントは、撮影中に季節外れの雪が降っちゃったらしいんですが)。
最後まで正体不明な飛刀門の頭領が、撮影中に亡くなったアニタ・ムイの役回りだったそうで、彼女の代役は立てずに完成させたために、なにか消化不良な感じがあるのはいたしかたなかったのか…?と。でも、さぁ、これから政府軍対飛刀門の大決戦!って時に、映画は終わってしまいます。そういう意味で、英語タイトルは、誇大広告よね。あくまでも、三角関係名恋人達のお話ですよ、という日本題の「Lovers」が、一番作品を良く表していると思います。
だいたい、この作品のアメリカ公開の決め手って、「Hero」が好評だったから二匹目のどじょう狙いだったと思うんですが、だったらなんで、素直に「Lovers」にしなかったのかなぁ?]]>
2046
http://hyperwani.exblog.jp/3325535/
2006-01-04T07:56:39+09:00
2006-01-04T10:53:24+09:00
2006-01-04T07:56:39+09:00
hyperwani
ぽかーん
劇中で、クラーク・ゲーブル髭(又の名をスケベひげ)のトニー・レオンが、宿屋の娘を誘って出掛けたレストランのねっとりしたスープ、コン・リー姐さんの女賭博師が食べてたスープ麺…おいしそうだ~!と、いう訳で、とっても中華の食べたくなる一作。
かつての情事の相手が忘れられないダメ男のチェン(トニー・レオン)の女性遍歴と、彼が、日本人の恋人が忘れられない宿屋の娘のために書いたSF「2046」を2本柱に、物語は進みます。この日本人の恋人が、キムタクね。キムタクの7-3分けはあまりに似合ってなくて爆笑ものです。
対する女優陣は超豪華!中国・香港映画に詳しくない私でも、知ってる顔のオン・パレードです。「SAYURI」で話題の、チャン・ツィイー嬢も出てますが、彼女にはこういうツンデレ役が似合いますね。但し、この映画ではカン・フーは披露しません。彼女は矢張り、カン・フーあってでしょう。しかし、ぴったりしたドレスの後姿のお尻は絶品です。
前作である「花様年華」を観ていないと、判りにくいお話らしいですが、私はこれだけでも結構楽しめました。ストーリーそのものよりかは、退廃的でスタイリッシュな映像と雰囲気を楽しむ映画、だと思います。しかし、中華食べたい。]]>
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